MENU



フォント一つで、サイトの信頼感が崩れることがある

読了目安:約8分

ディズニープラスのサムネイルに使われている日本語フォント、少し細くて、見慣れない形をしていると感じたことはないでしょうか。私はあれを見るたびに、内容とは関係のないところで、少し信頼感が薄れる感覚を持ちます。

おそらく、日本語フォントの知識がない担当者が選んでいるか、日本の広告表現にそこまで詳しくない現地スタッフが、定番とされるフォントの中から機械的に選んでいるのだと思います。作品自体のクオリティとは無関係に、フォントの選び方だけで、見た瞬間の印象が変わってしまう。ディズニーのアニメの中で、新聞や看板に日本語の見出しが表記されているシーンでも、同じように少し頼りない印象のフォントが使われていることがあります。

これは、フォント選びにおいて「見たことがあるかどうか」がかなり重要だということを、逆説的に教えてくれる例だと思っています。見たことのある形、あるいは見たことのある雰囲気に近いフォントであることが、信頼感の土台になっています。


フォントの使い分けには、よく言われる基本があります。柔らかい印象にしたいなら丸フォント、こだわりが強そうな印象にしたいなら明朝体、無機質にしたいならゴシック体。ただ、この基本だけをそのまま当てはめると、うまくいかない場面があります。

以前、無垢の木を扱う会社のサイトを作ったことがあります。無垢の木という素材の性質上、柔らかい印象を持ってもらいたいという要望がありました。ただ、見出しにそのままゴシック体を使うと、カチッとした無機質でモダンな印象になってしまい、素材の柔らかさとは逆の方向に振れてしまいます。

では丸フォントにすればいいかというと、それも違いました。丸フォントはポップになりすぎて、年齢層が低く見えてしまいます。その会社の商品は決して安い買い物ではなかったので、軽い印象を与えるフォントは、購買層の感覚とずれてしまいます。

最終的に選んだのは、丸みを帯びつつ、手書きに近い質感を持ち、字幅にも絶妙な余裕がある、その中間に位置するフォントでした。これを見出しにだけ使い、本文は一般的なゴシック体のまま残しました。それだけで、本文のゴシック体まで、なぜか柔らかい雰囲気を纏って見えるようになります。見出しのフォントが、ページ全体の印象をかなりの部分決めているということです。さらに、使用する画像もふんわりとした柔らかい雰囲気のものを選び、画像の中に見出しと同じフォントの白い文字を埋め込むことで、全体として一貫した信頼感を作りました。

丸フォントかゴシック体か、という単純な二択ではなく、対象となる商材の価格帯や購買層まで含めて、TPOに合ったフォントを選ぶ必要がある。読みにくいフォントを読みにくいまま使ってしまうことも含めて、こうした細部の積み重ねが、サイト全体の信頼感を作ったり崩したりしているのだと思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次