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服も家具も、世の中のお店で売っているものは、ほとんどが既製品です。ところが音楽だけは、ずっとオーダーメイドが続いています。アマチュアのアーティストが曲を手に入れようとすると、作曲家に依頼して、一から作ってもらうのが普通です。
私はこの形を変えたくて、完成済みの曲を販売するサイトを作りました。yumurawaki.com/song/ です。
曲は「依頼して作ってもらうもの」なのか
曲がオーダーメイドで作られ続けてきたのは、作れる人にとっては、それだけ手軽に作れるものだからだと思います。
でも、作れない人は一定数います。歌いたい、活動を始めたい、でも曲がない。依頼するにも、何をどう頼めばいいか分からないし、予算の相場も分からない。そういう人にとって、オーダーメイドは入口として高すぎます。
だから、お店に並んでいる品物の中から選んで買う、という方法に変えてみようと考えました。音楽を始める人が増えれば、その分、音楽の世界も活性化するはずです。
何が付いてくるのか
販売しているのは、アマチュア向けの完成済みの曲です。価格は3,000円から。1曲に付いてくるものは次のとおりです。
- 作詞・作曲・編曲・仮歌まで、すべて人が手がけた完成済みの曲
- 元のキーから上下2つまで、キーを変えた音源
- パラデータ(楽器ごとに分かれた音源)
- 予算に合わせて選べる、5種類のライセンス
トラックだけを売るサービスはあります。でも、歌詞と仮歌まで入っていて、キー違いとパラデータも付いてきて、ライセンスを予算で選べる。ここまでそろった既製品の曲は、なかなか見かけません。
キーを上下2つまで付けているのは、自分の声に合わせて選べるようにするためです。以前、歌ってみたのピッチ補正は上下2半音が目安という話を書きましたが、キーも同じで、2つ動かせれば多くの人の音域に合わせられます。
見た目より、使いやすさのデザイン
サイトの作りで一番こだわったのは、見た目の美しさではなく、使いやすさです。
曲を探す人が知りたいのは、キー、BPM、ジャンルです。それが一覧の中で、視覚的にすぐ判断できるようにしました。絞り込みの機能と、一覧の表示の仕方には、特に気を使っています。
再生も、サビだけを聴く、フルで聴く、を切り替えられます。機能はかなり盛り込んでいますが、それでも軽く動くように作りました。WordPressで動かしていて、テーマも自作です。
自信作:鍵盤をタップして、歌えるか確かめる
中でも自信があるのが、鍵盤をタップして、自分がその曲を歌えるかどうか確かめられる機能です。
曲を買う人が一番不安なのは、買ってみたら高すぎて歌えなかった、ということだと思います。そこで、曲の最高音や最低音を鍵盤で鳴らして、自分の声と比べられるようにしました。この機能は、ほかで見たことがありません。
余談:今、バージョン80くらい
このサイトは、気づいたところを直しては公開する、というのを繰り返していて、今はバージョン80くらいになっています。
ハヤカワ文庫のブックカバーを作ったときは、試作ゼロ、手直しゼロでした。サイトはその正反対で、80回近く手を入れています。ものによって、作り方はこれほど変わります。
AIの音楽があふれる時代に、人が作った曲を
もう1つ、このサイトを始めた理由があります。これから先、AIが作った音楽は、どんどん増えていくはずです。その中で、人が作った音楽を、もっと手軽に扱えるようにしておきたいと思いました。
作詞も作曲も編曲も仮歌も、すべて人の手で作った曲を、既製品として気軽に買える。オーダーメイドしかなかった場所に、もう1つの入口を作る試みです。


