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曲の作り方には、大きく分けて3つの順序があります。歌詞先行、メロディ先行、インスト先行です。
歌詞先行は、歌詞を読みながらメロディを作り、最後にインストが仕上がっていく順番です。メロディ先行は、先にできたメロディに歌詞を当てはめていき、これも最後にインストが仕上がります。インスト先行は少し特殊で、ワンコーラス分のインストが先に完成し、そこにワンコーラスのメロディが乗り、ワンコーラスの歌詞がつき、その歌詞に合わせてメロディが微調整され、そこからようやくフルコーラスのメロディ・歌詞・インストが同時に仕上がっていきます。
私は、この中だとインスト先行がかなり多いです。
インスト先行といっても、インストが完全に完成してからメロディに取りかかるわけではありません。ドラムだけ打ち込んだ時点で、すでにフルサイズのメロディを思いつくこともありますし、どうしても入れたい一言のフレーズが先に浮かんで、そこから前後を組み立てていくこともあります。とにかく、何か音が鳴っている状態にさえなれば、そこから展開が生まれて一曲になっていく感覚があります。
依頼で作る場合は、少し事情が変わります。歌詞先行で依頼を受けるときは、すでに作詞された仮の歌詞にメロディをつけていく形になります。歌詞がある程度固定されているので、これはある意味縛りプレイです。自分では絶対に選ばない言葉や言い回しに、メロディを合わせていく作業は、これはこれで面白さがあります。最終的には歌詞も微調整されて世に出ることが多いです。
メロディ先行の依頼は、後から別の作詞家がつくパターンがほとんどです。この場合、私はかなり自由にメロディを組み上げられます。ただ、出来上がった歌詞を確認する段階になって、思っていたより言葉数が少なくて、狙っていた通りのメロディの表情になっていない、ということがよくあります。正直、ここは毎回少し残念な気持ちになります。
一番楽しくて、一番自分が愛せる曲に仕上がるのは、圧倒的にインスト先行です。次にメロディ先行、一番最後が歌詞先行です。完成した状態での聴き心地の良さも、インスト先行が頭一つ抜けている気がします。
歌詞先行は、依頼者の意図を一番汲み取れる作り方だと思っています。ただし、一番苦労もします。逆にインスト先行は、一番苦労しない作り方なのに、一番好きになれる曲ができる。これは自分の中でもまだうまく説明がついていないのですが、たぶん、誰かの意図に合わせにいく作業と、音そのものに反応して展開していく作業とでは、使っている頭の場所がそもそも違うんだろうと思っています。


