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デスク紹介でよく見る、2インチや3インチの小さなスピーカー。ミックスをするなら、私は最低でも7インチをおすすめしています。7インチあっても、サブウーファーを足したほうがいいくらいです。
オーディオインターフェースの話に続いて、今回はマイクとスピーカーとヘッドホンの話です。どれも、お店で実際に聴き比べて選んできました。
マイク:NT1-Aの高域が、ずっと気に入らなかった
しばらく使っていたマイクは、RODEのNT1-Aです。今も持っています。
ただ、その音はずっと気に入っていませんでした。まあまあだな、と思いながら使っていた感じです。チリチリしているというか、サラサラ、カサカサしている。上の響きの解像度が、少し低いように感じていました。お金がなかったので、気に入らないまま使い続けていました。
同じ頃に使っていたのが、ダイナミックマイクのSHURE Beta 58Aです。友達にもらって、そのままずっと使っています。これは相当いい音で、大好きなマイクです。
宮地楽器神田で、心が躍ったマイクを買わなかった
まとまったお金が入ったとき、宮地楽器の神田店にマイクを見に行きました。
テレフンケンを見て、高すぎて引きました。ノイマンのU 87 Aiも見に行って、やっぱり高すぎて引きました。
そこで試したのが、U 87をモデルにした、United Studio TechnologiesのUT Vintage 87という細長いマイクです。当時は10万円くらいでした(今は7万4,800円まで下がっているようです)。これが、すごくゾクゾクする、ワクワクする音でした。
同じ日に、オーストリアンオーディオのOC16も続けて試しました。中に真空管が入っているタイプのマイクも聴いた気がします。
OCシリーズは、堅実で、忠実な音でした。現代の音なら何でも録れます、という感じです。
心が躍ったのは、UT Vintage 87のほうでした。でも、これを買ったら、何でも録れるわけではなくなる。そう思って、ちょっとチキって、やめました。
結局、今使っているのはオーストリアンオーディオのOC18です。定価は10万円近い機材だと思いますが、安くなっていたタイミングで、8万円台で買えました。単一指向性のマイクで、これは本当にいいマイクです。次世代のスタンダードマイクと言ってよし!
なぜ「ワクワクする音」を選ばなかったのか
あとから考えると、あのときの選択には理由があったと思います。
ワクワクする音のマイクは、マイク自体に強い色があります。その色が合う声、合う曲には、ものすごくはまります。でも、合わない曲でも、その色は必ずついてきます。
忠実なマイクは、色が少ないぶん、録ったあとにどの方向にも料理できます。私は自分の歌も録りますし、いろいろなジャンルの曲を作ります。一本で何でも録れることのほうが、私には大事でした。
自分の歌の録り方でも書きましたが、私は録った時点で、編集したあとの仕上がりまで考えています。色がつきすぎていないマイクのほうが、その予想が立てやすいんです。
スピーカー:最低7インチ
スピーカーは、ADAM AudioのT7Vを使っています。7インチのモデルです。
宮地楽器神田では、ADAMとジェネレックも聴き比べました。T7Vは、ジェネレックの5インチくらいのモデルと、同じとまでは言いませんが、近い音がしました。それで1本3万円くらいです。この音でこの値段は、正直安すぎると思います。
秋葉原のヨドバシカメラでも、いろいろ試しました。ヤマハのMSP5や、IK MultimediaのiLoud MTMも聴きました。スタジオなどで、ジェネレックの一番小さいモデルもたくさん聴いてきました。
結論として、小さいスピーカーはダメでした。聴いていて、全然面白くないんです。
なぜ小さいスピーカーではミックスできないのか
これには、物理的な理由があります。
低い音を出すには、たくさんの空気を動かす必要があります。空気をたくさん動かすには、大きなウーファー(低音用のスピーカー)が必要です。小さいスピーカーは、そもそも低い音を十分に出せません。
小さいスピーカーの多くは、背面や前面に穴があいた「バスレフ型」という作りで、箱の中で響かせて低音を足しています。それなりに低音が鳴っているように聞こえますが、本来の低音とは少し違う鳴り方です。
ミックスでは、キックやベースの低音をどう整えるかがとても大事です。でも、低音が出ていないスピーカーでは、そもそも判断ができません。見えていないものは、直せないんです。
7インチあれば、低音もかなり見えるようになります。それでも、一番下のほうまでは出ません。なので、7インチあってもサブウーファーを置いたほうがいいくらいです。私は持っていないのですが、置いたほうがいいと思っています。
スピーカーのケーブルも、もちろんMOGAMIの2534です。うちのケーブルは全部これです。日本のメーカーで、安くて、音質は最高。大好きです。
ヘッドホン:ボロボロのSRH1540
ヘッドホンは、密閉型が好きです。SHUREのSRH1540をずっと使っています。
その前は、同じSHUREのSRH940を使っていました(2018年に書いた記事があります)。上位モデルのSRH1840は開放型なので、選びませんでした。
SRH1540は、もうボロボロです。イヤーパッドもボロボロで、頭のところのレザーもボロボロ。つけると、耳にレザーのカスがつきます。最悪です。
でも、音は超ドライです。何でも乾いて聴こえる。相当乾いていて、硬い。私はドライな音が大好きなので、最高です。
余談:東京にいると、聴き比べに行ける
宮地楽器の神田店は、マイクやスピーカーを実際に聴き比べられるので、とてもおすすめです。東京にいれば、まとまったお金が入ったときに、気軽に機材を見に行けます。
UT Vintage 87の「ゾクゾクする」感じは、聴いてみて初めて分かりました。そして、聴いてみて初めて、買わないという判断もできました。

