こんにちは。村脇優です!音楽プロデューサーかつシンガーソングライターです。曲を作ったり、CDにして販売したりする流れを作ったりする仕事をしています。たまにライブで歌っています!よろしくお願いします!詳しくはプロフィールかこちらをご覧ください。→http://yumurawaki.com/
さて、今回の記事は意外とわかってないけど今更聞けない、
メジャーとインディーズの違い
についてです。もうわかってるよ〜って人は、ブラウザバック!!!
また、駆け出しのシンガーはメジャーを目指しがちだけど、
メジャーってそんなにいいの?
ってことについても言及していきます。
それでは、どうぞっつって。
あ、今回の記事で一番大切なことだけ読みたい人は「まとめ」だけ読んでくだされ。長いんで。
目次
メジャーとインディーズの違い
メジャーとは
そもそもメジャーメジャー言ってますけど、メジャーってなに?ってところからお話しします。
メジャーというのはメジャーレーベルのことをさします。メジャーレーベルは日本レコード協会に正会員として登録されているレコード会社のことをさします。
現在(2019年12月)、以下の18の会社が登録さています。(wikipedhiaより引用)
日本コロムビア株式会社 |
株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント |
キングレコード株式会社 |
株式会社テイチクエンタテインメント |
ユニバーサル ミュージック合同会社 |
日本クラウン株式会社 |
株式会社徳間ジャパンコミュニケーションズ |
株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ |
株式会社ポニーキャニオン |
株式会社ワーナーミュージック・ジャパン |
株式会社バップ |
株式会社ビーイング |
エイベックス・エンタテインメント株式会社 |
株式会社フォーライフ ミュージックエンタテイメント |
株式会社ヤマハミュージックコミュニケーションズ |
株式会社ドリーミュージック・ |
株式会社よしもとミュージックエンタテインメント |
株式会社バンダイナムコアーツ |
この会社や会社の系列から音楽作品を1曲でもリリースしていればメジャーデビューしているということになります。学内コンテストの優勝特典がメジャーリリースだったりするマーケティングを行なっている専門学校もありますから、1曲でも出せばメジャーデビューという言葉を聞くとメジャーが身近に感じると思います。こんな風に書くとメジャーデビューするのは割と簡単そうに思えるけど、その先で生き残るのはとっても難しいことだったりするんですね。先輩にメジャー契約を切られてバイトに戻ったなんて方もいらっしゃいますからね。厳しい世界なんです。
インディーズとは
次にメジャーと対比されるインディーズについてです。
インディーズとはインディーズレーベルのことをさします。インディーズレーベルとは日本における中小企業のレーベル会社のことをさします。
インディーズレーベルは国内に無数に存在します。インディーズレーベルの中にも有名な会社があり、様々なブログで取り上げられています。ぜひ、「インディーズレーベル」と検索してみてください。この記事だけでは語りつくせません。
ほとんどのインディーズレーベルはメジャーレーベルと比べると資金力に大きな差があります。資金力に差があると所属アーティストの制作や宣伝にかけるお金の量が単純に減りますから、それだけ人目につく確率にも差が生まれるというわけです。
だからと言って、インディーズはダメというわけではありません。それは後ほど、「メリット&デメリット」のところで説明させてください!
インディーズレーベルに所属せず、自主制作でCDをリリースしている人は?
さて、この問題気づきましたでしょうか。自主制作CDリリースはインディーズなのかそうでないのかってことですね。CD販売に焦点を当ててみましょう
メジャー
メジャーレーベルはもちろん初めから全国リリースがほとんどです。
インディーズ
次にインディーズレーベルです。インディーズレーベルでも、メジャーレーベルと同じようにCDを全国リリースすることは多くあります。しかし、そのレーベルが零細企業やベンチャー企業の場合は販売ショップからの信頼を得られていないため、狭い地域でしか販売できないこともあります。中には、楽曲をリリースしたいアーティストからお金を集めて、そのお金で制作したCD(外注業者はお得意先)をアーティストが手うりをするというやり方をしている会社もあるようです。
無所属→インディーズと同じくくり
では、インディーズレーベルにも所属していないアーティストはどうなるでしょうか。個人的にはインディーズレーベルに所属していなくてもCDを自主制作していたらインディーズで良いのではないかと思っています。商売をしているので、個人事業主と同じ立場だからです。事業主や会社として登録されているかどうかは別にして、やっていることは営利事業そのものであるため、CDを出していれば「インディーズです」と名乗ってもいいと考えています。しかし、今の所日本ではレーベルからリリースしていないアーティストはインディーズと認められていない雰囲気が漂っていますね。そもそも、インディーズかどうかは関係なく、メジャーかそうでないかを重要視しますからそれほど問題でないと言ってしまえばそれまでですが・・・。また。彼ら(無所属マン)の場合は、CDを作るの費用もも宣伝費用も自費かクラウドファンディングなどで集めた資金で賄っていますから、出版枚数は頑張って数千枚単位、販売も基本手売り、行動範囲も全国の主要都市だけになるでしょう。
そもそもレーベルとは?
「レーベル」「レコード会社」「事務所」「プロダクション」などの違い
簡単に軽く説明しますので、軽い気持ちで簡単に読んでみてくださいな。
レーベル
レーベルは所属アーティストの音源を発売しそれによる売り上げを得ることを目的とした組織です。プロモーションもレーベルが行います。
レコード会社
レーベルはレコード会社の傘下の企業です。
例えば…
・エイベックスはレコード会社で、リズムゾーンはレーベルです。
・JVC KENWOODはレコード会社で、ビクターエンターテインメはレーベルです。
事務所
事務所はアーティストのマネジメントをします。どんなルックスでどんな楽曲で誰をターゲットにしてブランディングするか。どんなライブに出るか、どんなテレビに出るか。どうやって売り出すのか。それを考えるのが事務所の仕事です。有料職業紹介とかけばわかりやすいかと思います。法的にはこれにあたります。
プロダクション
事務所と全く同じ意味です。呼び方が違うだけです。
メリット&デメリット
次に、それぞれのメリットデメリットを簡単にまとめてみました。
メジャーのメリット&デメリット
3大メリット
- 強大な力がバックにつくことで効果的な宣伝ができ、CD流通の路線に乗せやすく収益をあげやすい!
- 運営が社内完結で外注が少ないため活動にスピード感がある!
- メジャーレーベルと契約できるほどの事務所であるため、仕事が常にある!
3大デメリット
- 大企業であるため小回りが効きにくい。
- アーティストの意思より会社の意思が尊重されやすく、会社の色に染められやすい。
- 所属アーティストが多いため、結果を残せなければすぐに解雇される(1アーティストを育てるのに1000万円がかかると言われている。そのため1年の売り上げが1億に達さないアーティストは解雇されてしまうと言われている。)
インディーズのメリット&デメリット
3大メリット
- 中小企業であるため小回りがきく!
- 運営とアーティストの距離が近い!
- アーティストが売れたら会社が大きくなるため、会社とアーティストと一緒に努力する!
3大デメリット
- 宣伝費用がメジャーに比べて少ないため、拡散力が相対的に弱くなる。
- 仕事が少ない。
- 給料も少ない。
「売れる」とはどういうことか
さて、次にお金の絡む込み入った話をします。
“売れてる”のを定義しちゃう。
これは私が業界の方々とお話をして集めた情報であるため、必ずしも正確とは限りません。あくまでも目安ととらえていただけるとありがたいです。上から順に重要順になってます。
集客
一番大切です。売り上げにも繋がりますし、知名度の裏付けにもなります。最近のトレンドは、CDやデジタルリリースの売上枚数よりも、ライブ動員数を優先するのが業界の流れです。一昔前のようにCDのミリオンセラー連発なんてとこがなくなりましたよね。ストリーミング再生の時代がやってきて、CDを買うという文化そのものが廃れていったのです。このような時代背景を理由として、アーティストに求められるのは物販売り上げよりもライブの観客動員数ということになりました。
まとめると、
最低で「日本各地(主要都市)で毎月300人のワンマンライブが出来るアーティスト」
が”売れている”といえるそうです。
売り上げ
次に売り上げです。この場合の売り上げとは、グッズなどの関連商品による収益のことをさします。当たり前ですが、チケット販売の時点で、確実に利益のある価格設定になっているのが普通です。例えば、ライブをするのに経費が100万円かかるとしたら、それ以上の収益がなければ赤字になてしまいます。300人動員出来るとしたら、一人当たりのチケットは(1,000,000/300=3,333.333…)3,400円以上に設定しなければ利益を得られません。ここまでが基本の利益の出し方です。チケット販売での収益に対して、グッズ売り上げでどこまで収益があげられるかというのが、運営会社にとってもアーティストにとっても勝負どころになります。売り上げに関してはアーティストによってかなり差があります。なのでボーダーラインを引くことができませんでした。すみません。ただ、どういった販売方法があるのかをざっくりまとめてみたので、そちらを紹介しておきます。また、この項目を読んで音楽で生計を建てたいとお考えの方は、商売の知識を身に着けることがどれだか重要かお気づきになったのではないでしょうか。
まとめると、
「ライブチケットによる基礎収益」+「ライブ会場にて(限定品など)グッズ販売」+「ネットにてグッズ販売」+「ファンクラブ会員費」+「ファンクラブ会員限定のグッズ販売」+「CDやダウンロードによる音源販売」
これらの売り上げをなんとなくで計算してみるとだいたいわかります。
知名度
3つ目です。集客と関連性の高い項目ですが、これもバロメーターがないため具体的な数字で表すのは難しいです。集客に関係するということは、収益に直接関係するということです。しかしながら、”本質は集客がどれだけ出来るか”なので、どの地方営業でも300人のお客さんが入れば良いわけです。知名度はそれを可能にしていれば、高かろうが低かろうが良いという考えです。ただ、地方で300人入れるわけですから、低くはない知名度である必要がありますね。テレビで見る芸能人は非常に知名度は高いですが、「コアなファン」はその分少なくなりますから、地方で300人集められるかどうかはわかりません。集客力は完全に知名度に帰着しているわけではないということです。今回はわかりやすいようにYouTuberのオフ会とチャンネル登録者数の関係からボーダーを考察しました。
まとめると、
「チャンネル登録者数50万人のチャンネルの持ち主なら、主要都市でオフ会の告知を出せば300人集めることができる」
とします。これと同等の人気や知名度があればライブだけでやっていけます。
まとめ
今回の記事で一番大切なことを書きます。タイトルにある「メジャーってそんなに良いの?」に対する回答です。
“売れる”ための王道というのがあります。音楽をスタートしたらライブに出演してだんだんファンが増える。ファンが増えてきたら事務所やレーベルから声が掛かってデビューの話をもらう。そこで二つに分かれます。1つはインディーズ業界から声が掛かった場合です。インディーズ業界の方は「小規模でインディーズデビュー」→「インディーズで売れてきたらレコード会社を変えてメジャーデビュー」の流れです。もう一つはメジャーから声が掛かっていきなりメジャーデビューです。この、「始める」→「下積み」→「人気」→「声が掛かる」→「デビュー」の流れが王道と言われる道です。
この考え方は”売れる”ことに注目して考えています。では考え方を変えて”幸せかどうか”に注目してみましょう。そうすると王道の流れも王道ではないかもしれないということに気づけます。
承認欲求についてを切り口に考えてみます。音楽活動をしている人は、自分が大きなステージでいろんな人に賞賛されているところを夢見て活動を始めたと思います。このように始めたての頃の心には承認欲求を満たしたいと望んでいます。その承認欲求がどれくらいで満たされるのかは、音楽活動をしているとわかると思いますが、正直なところ、数十人に賞賛され始めると満足し始めます。幸せな状態になったということです。欲求が満たされ始めたことで、今までの勢いややる気が相対的に下がります。そういう人は、音楽がやりたくて音楽活動をしているわけではなく、承認欲求を満たしたくて音楽活動をしています。その熱量ではインディーズデビューしてもメジャーデビューしても長くは続かないでしょう。
しかしながら、中にはそうでない人がいます。始めは承認欲求を満たすための音楽活動をしていたとしても、次第に音楽にのめり込み、音楽を愛するようになったとしたら、”幸せかどうか”の基準が変わります。いい音楽をすることが幸せになるのです。そういった人は承認欲求とを満たすために音楽をやっているわけではなくなっています。メジャーレーベルはいい音楽を多くの人に届けることが一番のセールスに繋がることを知っています。いい音楽をすることが音楽活動をする目的の人はメジャーレーベルやインディーズレーベルと契約してもうまくやっていけます。
「誰からも傷つけられたくないけれど、音楽活動をしてビッグになりたい」というスタンスの人も中には見受けられます。そいういう人は、音楽活動を趣味の範囲内に収めることをお勧めします。趣味のいいところは誰からも批判を受けないところです。メジャーやインディーズになれば無所属で活動していた時よりも確実に多くの目に入るわけですから、それだけ批判を受けることになります。「批判されたくないけど目立ちたい」は人間の世の中では不可能です。目立てば必ず批判されます。
まとめのまとめ
結論は「メジャーは良いとは一概には言えない」です。もしメジャーデビューしたいのであれば、その環境が自分に合ってるのかどうか、自分にとっての幸せを手に入れられるかどうか、もう一度自分を見直してみる必要があります。音楽の世界はメジャーデビューが全てではありません。一人一人に合った音楽のやり方が無数に存在しているのです。