目次
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3つの秘密
このアルバムには3つの秘密を隠しました。その種明かしをします。
- 曲のタイトルが、曲順がアルファベット順
- 曲のタイトルが全部食べ物
- 食べ物をいろんな概念に見立てている
その1 アルファベット順
アルバムのタイトルを「a」から「i」までアルファベット順にしました。楽曲を単体で聴いた時に、アルバム「concepts」の一因であることがわかるように、9曲入りのアルバムの何番目の曲かわかるようにしました。
アルファベット順に作曲したわけでは無いので、アルバムが完成した時に「こんな順番になるんだ〜」と客観的に構成を面白がりました。
4曲目のドーナツは数年前に作曲した楽曲です。この曲を久々に引っ張り出して聴いてみたあの時に、このアルバムの企画を思いつきました。ここで普通は、あの時曲を引っ張り出していなかったらこの企画は生まれていないだろうな、という感動的な感情になるのでしょうが、私のことですから引っ張り出さなくてもこの企画にたどり着いてなんやかんや同じようなアルバムを完成させていたに違いありません。
その2 食べ物
2つ目の秘密は曲のタイトルが全て食べ物であることです。アルファベット順だけではエピソード的に弱いな〜と思ったので、もう1つ要素を付け足して厚みを持たせました。
これがなかなか大変で、何回も食べ物を変更しました。変更するたびに曲の構想も一緒に変更になるので、ボツになったトラックがいくつもあります。ボツトラックは謎の封印フォルダ「トラックたち」にまとめられています。
タイトルの中で「Fig」は我ながらオシャレだなと自画自賛しています。Fから始まる食べ物をググっていたら、無花果(いちじく)がこれに当たるとの表記があり、即決しました。食べ物の中でも結構オシャレなので、Fの中では1位でしょう。他にオシャレなものがあれば教えて欲しいです。ただし、オシャレの価値観は圧倒的主観です。
その3 概念
アルバムのタイトル「コンセプト」はいくつも意味がある単語ですが、その中の一つに「概念」があります。これを拾いました。このアルバムには色とりどり9つの概念を食べ物に当てはめています。これがこのアルバムの醍醐味です。私が視聴者だったら絶対に辿り着けないと思ったので、アルバムタイトルを大ヒントにしたわけです。
1.Almonds「努力」
2.Biscuit「常識」
3.Cokes「諦めた夢」
4.Donuts「輪廻転生」
5.Eggs「幹細胞」
6.Figs「楽しみな気持ち」
7.Gums「癖」
8.Honey「夏の恋」
9.Ice「初心」
私は月に十数冊の本を読むことで日頃から読解力を高めるトレーニングをしています。読書によって知識が増える当たり前の恩恵を手にするために本を読み漁っているわけではありません。読解力を高めて大好きなアニメを多角的な理解でもってより深く楽しみたい衝動が私の足を図書館に向かわせています。
多少読解力が高まった私が作ったアルバムはそれはそれは挑発的な難易度になってしまいました。作者故に手の内がわかりますが、視聴者だったら読解不可能だと確信しています。だからこのブログを読んでぜひ種明かしした状態でもう一度聴いていただきたいです。
アルファベット、食べ物、概念の3つの秘密が重なった時、音の表現が多角的に見えるようになるはずです。
込めた思い
私なりのあるあるを詰め込みました。1曲ずつ解説するので、本当に暇でしょうがない人はお付き合いください。
1.Almonds「努力」
よくある「努力は裏切らない」というアレです。
アーモンドは結構腹持ちが良いということもあり、力の出る種としました。これを裏切らない努力とイコールで結んだわけです。公式は以下の通りになります。
アーモンド=力の出る種=裏切らない努力
歌詞の中にたびたび出てくる「あなた」は「努力」のことを指しています。人ではなく、概念を指して「あなた」と呼ぶのって新鮮だと思います。皆さんも読んでみてください。簡単に拗らせポエマーになれますよ。
2.Biscuit「常識」
ビスケットは結構硬いので、割りたくなりますよね。というか袋から出したら割れてますよね。というか完成した直後から割れるために存在しているようでもありますよね。それって「常識」と似ているなと思ったんです。
いつの間にかできてた常識って、いつの間にかなくなっていますよね。ほぼ確でなくなるのになぜか生まれてしまうんですよね。不思議です。
そして、若者はいつも常識を壊したがっている傾向にあるように思います。壊したいなら壊せばいいと思うのですが、彼らはなかなか壊さないんですよね。きっと本当は壊したいわけではなくて、壊そうとしている構図が好きなんだと思います。常識をぶっ壊そうとしている私かっこいい的な。だから私は、常識は固くてなかなか壊れないよねと、賛同して調子に乗らせてあげるのが平和で好きです。
1番Aメロの「綺麗な言葉で 一部だけ許して」の部分は、運転免許証などの法制度を柔らかく伝えたわけですね。免許制度は全てダメ、一部だけOKという統制の仕方です。私たち日本人は基本車を公道で走らせては行けませんが、免許を持っている人だけは許しますよと。「綺麗な言葉」は綺麗事という意味ではなく、そのまま丁寧な言葉という意味です。法律の文書って独特で綺麗ですよね。皮肉ってはないですよ。一部許可にしないと、ただでさえ抜け穴だらけの制度が穴だらけになるらしいです。大学の憲法の授業で知りました。
3.Cokes「諦めた夢」
夢中になって人生をかけても良いと思えることって、ごくたまにありますよね。そいういうもので良いので、夢としてください。「特に夢はありません」なんて言われたら、この曲の存在意義がないじゃないですか。そこをなんとかお願いしますよ。
夢を諦める時って、結構他人のせいにしがちだなと思ったので、自分のせいだぞ!と言うことをメインに伝えている曲です。私が諦めた夢の中に「スケボーで高いオーリーを成功させる」があります。メインの移動手段にするくらいには乗って、ほぼ毎日持ち歩いていて、たくさん練習したのですが3cmしか飛べるようにならず、諦めました。
スケボーが悪いとかいい師匠がいなかったとか、色々と理由を挙げれば出てきますが、結局やめる決断をしたのは私自身なので、私がこの夢を諦めたのは私自身のせいに他ならないです。以上です。
4.Donuts「輪廻転生」
このアルバムを作るきっかけになった曲です。そして素直な私の思いを歌詞にした少々恥ずかしい曲です。
私は輪廻転生して欲しくないと考えています。今回の人生で終わりにしていただきたいと思っています。だってこの世界は生きるには苦しすぎます。自分見える範囲でしか物事を判断できないのに、認知している範囲が全然広がらないのが苦痛です。私は小さな存在であると自覚しているのに、範囲の外の偉大な人々や概念は私のことを残酷にも小さい存在だと畳み掛けてくるのですから、苦痛に決まっています。だから私も、どこの誰かも知らない人や概念に対して興味を持つのはやめました。基本のスタンスは無関心です。ニュートラルです。これでいくらか現世の私は救われます。
きっと同じように訳のわからない苦痛を感じている人がいるはずです。そんな人に届けば結構効果的なのではないかなと考えています。別に届いても届かなくても、効果的でも効果的でなくても、どうでもいいんですけどね。
あ、ドーナツは丸いので輪廻転生と相性がいいと思っただけです。
5.Eggs「幹細胞」
唯一YouTubeで発表しなかった曲です。アルバムをサブスクで聴いてもらうために、あえて取っておきました。とっておきの1曲です。タイトルがエッグなのに、一言もエッグと言っていません。しかし、サビで「孵化」と言うことでタイトルの伏線を回収するスタイルにしています。かっこいいでしょう。卵はこれから細胞分裂していく状態の総称ということにして試聴してみてください。
大好きなブルーノマーズさんのTalking too the moonのコード進行をサンプリングして、私なりのメロディーと歌詞を載せました。人はいつでも何者にでもなれる可能性を秘めている状態を幹細胞に見立てました。幹細胞とは赤ちゃんのような細胞で、これからどんな体の部位にも変化できるんです。指や髪の毛、白目や内臓、なんでも行けます。私たちはいつでも幹細胞です。今更ってことはいつだってあり得ません。今すぐにやりたいことを始めましょう。失敗したら面白いですし、成功したら面白いです。
6.Figs「楽しみな気持ち」
週末は水曜日の午後くらいから始まっていると思っています。今は曜日に関係ない生活をしているので、あまり週末だから楽しいと思うことはなくなりあましたが、学生の頃の週末への期待感を膨らませて作った曲です。2023年で最初に作った思い出の曲です。
舞台は木曜日、振り向けば水曜日、目前に金曜日を控えています。ワクワクしてきました。でもソワソワしているのがバレるとダサいので、余裕のそぶりで週末の始まりを待ち望みましょう。そして、ついに金曜日になったら時間が止まることを祈りましょう。頑張ればちょっとは止まってくれると思います。
タイトルは先述した通り特に意味はなく、おしゃれなFから始まる食べ物を探していたら見つけた、それだけです。
7.Gums「癖」
とあるコンペに出して選ばれなかったボツ曲です。結構良かったので自分で歌っちゃいました。コンペに出した時はメロディと簡単な編曲だけだったので、良さげなアレンジを付け足して良さげな歌詞を書いておきました。
私はガムを食べるとたくさん空気を胃に溜めてしまうみたいで、お腹が痛くなるから嫌いです。それはさておき、誰にでもある癖をテーマに作詞しています。世の中の価値観に惑わされないように、自分の楽な姿勢で生きるのが好きです。たとえばルッキズムなんかはわかりやすい例ですよね。
イケメンや美女の価値基準は名も知らぬ誰かが作ったものです。私はそれらの価値基準とは逸脱した価値基準で生きているので、芸能人がカッコよかったり可愛かったりすることがあまりありません。私は爆笑している人が好きです。爆笑できるコンテンツが好きです。爆笑でなくても、感情が動くと言う本来の意味の「感動」が生まれるエネルギーが好きです。
この曲は脱エネルギーなテンションなので、エネルギーのあるコンテンツを摂取する前のリセットボタン的に聞くのがおすすめだと思います。
8.Honey「夏の恋」
世の中の曲は恋の歌に溢れすぎていますよね。私も最初に作った曲は恋愛の歌だった気がします。確か恋人の背中を押す的な歌詞でした。
この曲は恋愛中の歌詞です。夏の生ぬるい風とか高すぎる湿度とかを表現できていれば嬉しいですが、いかがでしょうか。そんな泥のような恋愛はしたことはないんですけどね。恋愛中の心情ってこんな感じじゃあないかしらと、妄想を膨らまして書いています。お手柔らかにお願いします。
夏の泥のような甘ったるい恋って、蜂蜜の粘度と似ていると思います。市販の安いやつですよ。養蜂場で販売している高級なアレはサラサラすぎて夏の恋に例えるには美味しすぎます。添加物あり方でお願いしますね。
新たなチャレンジとしてアレンジにヴォコーダーを使用しています。
9.Ice「初心」
よくある「初心わするるべからず」をテーマにしました。
初心ってすぐに忘れますよね。常に新しく生まれ変わる私たちには必然的なことではあるのですが、あの初心と今を比べると結構遠くまできたなと思うこともありますよね。そうやって、テキトーに初心を思い出してほしいなと思ってこの歌詞を書きました。別に思い出さなくてもいいです。
アネモネの花言葉は色によって変わります。
白いアネモネの花言葉は「期待」「真実」「希望」
黒いアネモネの花言葉は「あなたを信じて待つ」
期待や希望を持って進む状態を「白」、止まって待っている状態を「黒」と表現しその間を彷徨わないと決意している歌詞が2番のサビに出てきます。言葉の通り、白と黒をはっきりさせ、自分で決めて進んでいくと決意している様子を表現しています。初心ってそういう場所にありませんでしょうか。少なくとも私の初心の住所はそういった場所です。
まとめ
制作期間は数年です。曲のほとんどは1ヶ月で作りましたが、ドーナツが悪さをしてアルバム完成までの期間を伸ばしています。私は曲を作ることは苦ではないので、おそらく天から才をいただいたのだと思います。毎日テキトーに過ごしていても曲が思いつきます。大人になるまで、それが誰でも当たり前にできることだと思うくらいに、歩くのと同じくらい普通のことだと思っていました。そして、曲を作ること以外の能力が乏しいことも追々気付きました。私は生活の中で苦手なことが多すぎます。だから苦痛が多いです。苦痛が多いからか、このアルバムも明るい曲が全然ないですよね。きっと根暗人間なんでしょう。明るい感じの曲を作ろうと何度チャレンジしても必ず憂いが含まれてしまうんですよね。明るい曲の作り方講座を私専用に無料でやってくれる都合のいい事案はありませんでしょうか。頑張るのが苦手なので、おそらく講座当日は欠席します。では。
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