Googleで「質より量」という言葉を検索すると、様々な意見が見られます。どうやら最近は質より量が推されているようです。
私も質より量派です。音楽に関して、歌に関しては特に量が大切だと思います。
目次
結論:質より量
詳しくはしらなんですが、質か量かを判断するための実験が地球のどこかで行われたらしいです。内容をざっくり説明しますね。
Aチームは「絵を出せば出した数だけ加点」Bチームは「一枚の絵を提出し質が高ければ加点」の条件で課題を出したそうです。結果は、Aチームの提出した絵の方がBチームの提出した絵よりも質が高かったそうです。結果からは、より数出した方が質が高いということがわかります。
理由:試行錯誤の回数が直接”質”を向上させるから
AチームがBチームよりも質の高い絵がかけた理由は、試行錯誤の回数にあります。1度仕事を完結させたあと、自分の絵をみて反省し、さらにもう一枚かく。この繰り返しが絵の質を向上させることに繋がったのです。Bチームは自分のもつ才能で一発勝負ですから、才能頼りになってしまいます。
私の別の記事にも書いていますが、音楽でも同じことが言えます。
これは量と質の関係です。「量より質」が歌唱力を鍛えるのか、「質より量」が歌唱力を鍛えるのかどちらでしょうか。正解は後者の「質より量」です。一見前者の方が効率の良い練習をしているように見えますが、圧倒的に後者です。
質を高めた練習を25ポイントとします。これを時間をかけて4回やれば100ポイントたまりますね。逆に、量を求めた5ポイントの練習は20回やらなければ100ポイントはたまりません。しかし、試行錯誤の回数に着目すると、4回と20回と5倍もの差が生まれます。試行錯誤の回数が多ければ多いほど成長は見込めます。試行錯誤の質にも差はありますが、4回の試行錯誤を20回の試行錯誤の5倍の質で行える人はそれほど多くないのではないでしょうか。それならば、20回の試行錯誤の方が効率の良い練習と言えるのです。
特に後半部分は音楽の練習において大切です。私たちのポピュラー音楽では、1曲がだいたいだいたい5分です。1時間の練習で5分の曲は12回しか練習ができません。野球のバッティングやサッカーのシュートの練習に比べて1回1回のスパンが長いのが特徴です。なおさら1回1回の練習を効率よく行う必要があるのです。
「質より量」からの「量より質」ならあり。
私が「質より量」の派閥に入ってからは1曲を短く分割して、録音しては修正してを繰り返し練習しています(録音上達法を参照)。この練習は私の今までやってきた練習のなかで最も効率よく成長できます。この練習をしていて気づいたことがあります。
数こなす1回1回をできる限り質を高める。
ということです。当たり前っちゃ当たり前ですね。ただし、数こなすのを妨害しない程度の質のことを言ってますのでご注意を。
つまり、「質より量」の中に「量より質」が属しているイメージです。回数こなすのは大前提で、1回1回の質を向上しましょうねってことです!
歌において:練習量=歌唱力
「1万時間の法則」というのがあるくらい、何か1つを極めるには時間がかかるとされています。歌は体を使う競技ですから、野球やサッカーなどのスポーツと同じく「1万時間の法則」適応です。そうなってくると、練習量=歌唱力の方程式も頷けるのではないでしょうか。しかし、1万時間も歌うには相当な努力が必要です。1年は8769時間な訳ですから、24時間365日ぶっ通しで歌ったとしても1万時間は到達できません(詳しくはこちらの記事で述べているので参照くださいな)。1万時間分の効率の良い練習が必要です。そして効率が最も良いのが「質より量」を念頭においた練習ですよということです。
最後に
「質は悪くていいから量をこなせ」という意味ではなく「質を高めようと意識しながらたくさんやれ」ってことです。ただやればいいってわけではなく、試行錯誤の回数を増やしましょうということを最も伝えたい!
「才能がある奴」が質の高いパフォーマンスをするんじゃなくて、試行錯誤の回数をより多くこなせる事自体が才能。「回数の才能がある奴」が質の高いパフォーマンスをしてる。
今回の思想はここまで!