実話「独学の告白」

【独学の告白#2】独学で作詞作曲編曲を身につけて仕事にするまでの過程を綴った実話。

独学の告白その2です。

まだその1をお読みで無い方はこちらからどうぞ。

独学の告白#2

 

目次

2-1習い事

小学生になる頃、私の両親は私に二つのスポーツを習わせた。一つは水泳でもう一つは空手だ。幼い頃に喘息持ちだった私に水泳を習わせることで、克服させようとしたのだ。そして克服できた。小学6年でスイミングスクールの最上級を体得して辞めた。反対に、空手を始めるきっかけは覚えていなかった。しかし20歳までの13年間続けることができた。私は空手を通してたくさんのことを学び成長した。

2-2初めての作詞

中学2年ではじめて曲を完成させたあと、言葉を紡いで一つにすることを試みた。はじめて作った歌詞は手元に残ってはいないが、中学生の可愛らしい恋愛のことや、テレビドラマから学んだ大人の恋愛の模倣を文字にしたものだった。それでも私は作詞家になったのだ。それからの学校生活は、全て作詞の為にあるようなものだった。少しでも思いついたことは忘れないようにノートや付箋に書き留めてまとめた。しかし、平日家に帰ってもそれらをまとめることはできない。なぜなら習い事の空手に熱中していたからだ。学校から帰ると仮眠をとり、それから道場へ稽古をしに向かう。帰ってくるとヘトヘトで宿題や昼に思いついた言葉をまとめる暇はない。だから朝は早く学校に向かう。誰もいない教室で宿題を片付け、言葉をまとめるのだ。こうして少しずつ言葉で遊ぶ楽しみを知っていった。空手と同時に作詞と作曲、それから編曲にのめり込んでいくのだ。

2-3思春期

思春期には誰もがポエムといものをどこかしらに書き留めてしまうものだと私は理解している。私の周りにもポエムをノートの切れ端や手帳の片隅に綴る女子(思春期的呼び方の)を見ていた。それが男子(思春期的ー)に見つかることが恥ずかしいことも知っていた。そして私は男子であった。その男子がポエムならぬ作詞をしているのだ。これが見つかったとなればただならぬ恥であると、そう思うほかなかった。私はある日まで作詞の事実を隠し続けていた。

作詞や作曲や編曲と同時に上手な歌を習得することにも努力をした。中学2年になったことで今までの2倍もお小遣いがもらえていたためカラオケにいくことが出来たのだ。たまにある休日には同じクラスの男子数名とカラオケボックスに行き、私は楽しんでいる顔をしながら本気で歌の練習を、彼らは「カラオケ」を楽しんだ。朝から晩までいた日もあった。この一曲を無駄にしないようにと、家でもよく聞いたし空手の送り迎えの車中でもよく聞いた。そしてよく歌った。その手助けもあって、周囲からは「歌のうまいやつ」として認知されるようになった。ここまできたら、こっちのものだ。作曲や編曲、それから恥ずかしい作詞のことを堂々とひけらかすことができる。また、美術部での活動も上手くいき静岡県の展示会で金賞をもらった。勉強も手を抜かずにやった。空手もなんども表彰された。始業式や終業式の表彰台の常連になった私は学校内で確実に地名度と権威を掴んでいた。おまけに中学3年生、私は学年で唯一の(無名の)音楽家になった。

3-4高校進学

まさに文武両道そのものだった私は、塾の担当からも学校の担任からも進学校を勧められた。道場の先輩からは正反対の空手強豪校を勧められた。二つの選択肢から私は迷わず後者を選んだ。学校で政治的に成績を伸ばし(いくつか問題も起こしたが)、同学年に対し権威を持った私は進学校に行っても同じことが起こると予想ができてしまった。同じことを繰り返しても面白くない。それに、今は空手が楽しい。単純な理由だった。そして私の望んだ通り、進んだ先には別の社会があった。しかし、その社会はとても残酷なものだった。

そこには世間が「体育会系」と呼ぶものがどっしりと横たわっていた。3年生は神様、1年生は虫けら。過言ではない。部活中虫けらは休むことも出しゃばることも許されなかった。少しでも声が小さいと叱られた。人数が少なかった私たちの学年は声のボリュームが小さいのは当たり前だが、それでも叱られるものは叱られるのだ。理不尽だという主張は胸の奥にしまうほか選択肢はないのだ。そんな時、私の中から音楽が消えそうになった。自宅から自転車と電車と徒歩で1時間と少しの距離にある高校に向けて5時代に起床し、夜は9時ごろに帰宅する。休みははとんど無く、毎日ついていくのがやっとで、ヘトヘトだった。ある日の帰宅途中、空いている電車に揺られながら音楽をイヤホンから垂れ流していた。自宅の最寄駅の直前の橋に差し掛かったときに、ふと一つのアイデアが浮かんだ。

「ピアノが弾けたら幸せだ。」と。

その日の夜、母にピアノを買って欲しいと伝えたところ快諾してくれた。クリスマスに子供用の光る電子キーボードを手に入れた。高校1年生でピアノを学び始めた。消えかけた音楽戻ってきた。虫けら活動にも慣れてきた頃で、1日の楽しみができた。家に帰ればピアノが弾ける。その楽しみを糧に毎日頑張った。勉強も部活も。

あとがき

さて、どうでしたでしょうか。ムカつく中学生が高校でしごかれております(笑)。ザマァ見ろ!!!!皆さんも一緒に!せーのっ!

自慢ですが、中学の時の成績はほぼマックスでした。ほぼね。美術の成績もまぁまぁよかったですね(笑)。お絵かきは昔から好きで今でも趣味の一つとして継続中です。空手も頑張っていましたね。まだ体に筋肉の貯金がありますもの(笑)。

でもまだ、音楽プロデューサーになれるなんて思っても見ない様子ですね。これからどうなっていくのでしょうか。

次回は部活動のお話からです。

次回
3-1部活動
3-2将来の夢
3-3大学進学
3-4DTM

さぁ楽しみ楽しみ!

-実話「独学の告白」

© 2024 ワキログ