詩曲:村脇優
蜂の唸る様な
笑い声の渦の中でさ
独り受話器越しに
譫言を話してた
あの日見惚れていた
花の潤しさ
底知れぬまるで奈落
その美貌は
時が過ぎるたびに
化けの皮剥がれてく
もう私は気付いている
二人の秘密
波に漂う
嵐の海に埋もれて溶けていけよ
いつの間に皆に寄り添う
曖昧な手触りだけが残るよ
どうせまた付き纏う気でしょう
今にも襲いかかりそうな顔に皺寄せた狂犬が
眠る小屋の中で
ほら手放したその愛を
また取り戻せよユラユラ
灰に埋もれたまま
(背筋丸め俯く)
塀に囲まれてた
(心綺楼に戸惑う)
形もないのに何故
疑いもしないの誰
何処へ消えゆくのか嗚呼
視界の隅の
暗い場所に
潜む悪魔に怯えながらも
部屋にないものを望むよ
空にないものも求む
どうせまた付き纏う気でしょう
今にも襲いかかりそうな顔に皺寄せた狂犬が
眠る小屋の中で
ほら手放したその愛を
また取り戻せよユラユラ
ユラいつになったら気づくのか
不揃いで生まれ落ちたばかりの一人一人が
意味を持っている
ほら手放しのその間
なら取り戻せるユラユラ
夏の茹だる様な
暑い体を重ねてたね
独りよがりの果実
苗床に伏していた