音楽家の村脇優です。
今回は
あなたの個性の作り方
と言うテーマでお話ししていきます。
ぜひ最後までご覧ください!
目次
癖と個性の違い
私は人前で歌を歌うと「癖が強い」とよく言われます。巷でよく言う「歌がうまい」の歌い方ではないからです。初めて私の生歌を聞いた人は、他に聞いたことがないような要素を感じると思います。わざとそのように練習して、唯一無二な歌声を届けられるようにと考えて行動しています。
この場合の「癖が強い」とは”個性”のことを言うのか、はたまた言葉の意味通り”癖”のことを言うのかは定かではありませんが、癖も個性も紙一重の存在であると言えますから、発言者は癖もしくは個性を感じていると言うことになります。それは他にない唯一無二の歌声であると認識させることができていることになります。私の練習は成功していると言えるでしょう。
癖と個性は紙一重です。しかし、1点だけ大きな違いがあります。
癖=不快
個性=快
この違いです。私が勝手に定義付けしているのですが、歌に関しての癖と個性の一番の違いは快いかどうかあると見ています。
つまり、客観的に自分を見て、癖を認識しその癖とどのように付き合って行くかによって個性となったり不快な癖となったりすると言うわけです。
癖の改善→癖が無くなる
癖の改善について考えてみましょう。癖は不快なものです。「普通に歌えよ〜」と、ある人は私の歌に対して思うかもしれません。普通に歌って欲しい感情は癖を不快に感じている可能性があります。(好みの問題ですっきりした歌い方が好きな場合もあります。)
では癖を改善して癖を無くす方向で考えていきましょう。
フレーズ頭の音を若干下から当てて行く歌い方”しゃくり”が目立つ場合の対処法を例に見ていきましょう。『しゃくりが目立つ=フレーズ頭の音を上手に当てられない』これが課題です。フレーズ頭の音を上手に当てられるようになる練習をしていきます。頭の音は音感とスケールの感覚が身につくことで改善されていきます。ポップス音楽ではテクニックとしても用いられるため、完全にしゃくりを消してしまっては逆にそれが癖と捕らえられてしまうため、「しゃくりを無くす」というよりは「しゃくるかしゃくらないかをコントロールできる」を目指すべきでしょう。
このようにして、しゃくりすぎていた歌唱をしゃくったりそうでなかったりとメリハリをつけた歌い方ができるようになったとします。すると、癖に感じていたしゃくりの多さが無くなり、すっきりとした聴き心地の歌になることでしょう。
これが『癖の改善』の考え方です。
癖の昇華→個性になる
次に癖の昇華について考えてみましょう。癖は不快なものですが、癖は昇華することで立派な個性へと変化します。モノマネされやすい有名ボーカリストの皆様はまさに癖を個性に変化させて唯一無二の存在になることで一目置かれていると言えます。(こちらも好みの問題で万人が良いというわけではありません。)
では癖を昇華させる方向で考えていきましょう。
先ほど同様”しゃくり”を用いて説明します。『しゃくりが目立つ=フレーズ頭の音を上手に当てられない』これが課題です。これを昇華する場合、現状のまま不快さを取り除いて行く作業になります。正直程遠い過酷な道なるかと思います。しかし、個性を生み出すための近道でもあります。何もない状態から個性を生み出すよりも、癖の不快さを取り除き個性へと昇華させる方がよっぽど楽です。良い例が福山雅治さんの歌い方です。彼はしゃくりがとても目立つ歌い方です。フレーズ頭の音のかなりしたからグッとしゃくります。その部分は誰もがモノマネできる個性でもありますよね。しゃくり部分の音質の心地よさによってしゃくりの不快さをかき消しているのです。またしゃくったあとのフレーズ部分はとてもすっきりしている歌い方です。しゃくりを目立たせることで、唯一無二の歌い方になっているわけですね。
このようにして、しゃくりを使うタイミングや音質や前後関係を加味し、不快さを感じさせない癖を歌唱に用いることで、歌の個性の表出が伺えるのです。
これが『癖の昇華』です。
あなたの個性の作り方
最後に『あなたの個性の作り方』についてお話しします。
個性の出し方は2通りあります。1つ目は自分のアイデンティティとなるような個性をゼロから磨いて行く方法です。まずは個性になりそうな要素を探して行く必要があります。とても長い道のりになるでしょう。もう一つは『癖を昇華』させる方法です。今は不快な”癖”として存在する歌い方を自分の個性にしてしまうべく変化させるのです。
癖の見つけ方は非常に簡単です。録音した自分の歌声を分析するのです。そして沢山のボーカリストと比較し、どこが良くてどこが悪いのか、どこが不快でどこが心地よいのか、全体を通してクオリティの高いものと言えるのかそうでないのかを考えていきます。すると自分にしかない変な部分が見つかります。それがあなたの癖です。
見つけた癖は改善するも良し、昇華して個性にするも良しです。癖との付き合い方はあなた次第です。
癖を改善する場合は、癖の部分を無くしていう方向でトレーニングをしましょう。自分のような癖のないボーカリストの真似からスタートしてください。癖を昇華する場合は。癖の部分の不快さを無くして行く方向でトレーニングをしましょう。フレーズ全体のバランスや、前後関係など、より多くのことに気をつけて癖をそのままに不快さを無くして行くのです。次第に唯一無二の歌い方となってそれがあなたの個性になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。「癖が強い」と言う人は千鳥のノブさんの言葉使いの影響から、「個性が表出している」を含んでの場合もあります。「癖が強い」と言われたからと言って不快な思いをさせてしまったと落ち込みすぎることはありません。「癖が強い」と言われた時の歌声を分析し、どの部分が”癖”と捕らえられたのかを考えることが1番良い対応でしょう。