音楽家の村脇です。
今回は
路上シンガーが出演すべきライブの条件
というテーマでお話ししていきます。
駆け出しの路上シンガーの方にとって有益な情報となりますので、是非最後までお読みください!
- 目的別ライブの選び方
- 不特定多数性
- 費用対効果
3つの視点からそれぞれ詳しく説明していきます。それではどうぞ!
目次
目的別ライブの選び方
ミュージシャンのライブは大きく分けて2つの分野に分類されます。
- 収益を目的としたライブ
- 宣伝を目的としたライブ
この二つです。それぞれ説明します。
収益を目的としたライブ
メジャーミュージシャンたちは基本的に収益を目的としたライブ活動を行っています。レーベルや事務所の目的はアーティストというなの商品を売って収益を上げることですから、収益目的のライブをするのが当たり前です。
宣伝を目的としたライブ
もう一つの宣伝を目的としたライブはまだ知名度の低いミュージシャンが出演する傾向にあります。出演者が「プロモーションをさせていただくのでギャラは頂かなくて結構です。出演させてください。」という姿勢になる構図です。
これら二つから自分の目的にあったライブを選ぶ必要があります。今回の記事は駆け出しシンガーの方にむけた物ですから、基本的には「宣伝になるかどうか」を基準にライブを選ぶべきだと考えています。「宣伝を目的としたライブ」はギャラをもらえず、むしろ出演料がかかる可能性があります。
出演料がかかる場合は次の2つのシステムのどちらかが適応されます。
- チケットノルマ制
- 定額出演料制
チケットノルマ制
チケットノルマ制は1アーティストにつき、イベントにお客さんを呼ばなければならない人数が決まっているという制度です。集客ができなかった場合はチケット代金を出演者が負担する仕組みになっています。イベンターが必ず儲かる仕組みになっています。イベンターは集客ができようができまいが痛くも痒くもありません。集客がチケットノルマをクリアしてもしなくても、同じ金額がイベンターに入ることが保証されている制度だからです。それでは需要と供給の関係を見てみましょう。
- 需要:出演者「とにかくライブに出演したい。」
- 供給:イベンター「ライブ出演の場所の提供によって収益を得る」
成り立っています。では出演者はこの場合どのようにすれば収益を挙げられるでしょうか。そもそも収益はあげられる物なのでしょうか。
答えは「チケットノルマ以上の人数の集客によって可能」です。チケットノルマが5枚だったとしましょう。その場合は「6枚目以降ハーフバック」という条件付きで、出演者にお金が入る仕組みがあります。
例)
チケット代金:2000円
チケットノルマ5(6以降ハーフバック)
↓↓↓↓
集客6人目から1人に当たり1000円の収益
ライブハウスで行うイベントは殆どこの制度が適応されています。
定額出演料金制
定額出演料金制は1アーティストが出演するのに掛る費用が決まっているタイプの制度です。出演料を支払い、イベントに出させてもらうスタイルになります。この制度は野外で行われるイベントや大型商業施設などで行われるイベントにおいてしばしば適応されています。不特定多数の人の目に止まる可能性がある代わりに、出演料を支払う必要があるという構図です。それでは需要と供給の関係をみていきましょう。
- 需要:出演者「宣伝目的でライブがしたい」
- 供給:イベンター「不特定多数の目に止まる可能性の提供によって収益を得る」
成り立っています。ではこの場合で出演者が収益を上げるにはどうすれば良いでしょうか。そもそも可能なのでしょうか。
答えは「関連商品販売によって可能」です。イベント出演にかかった費用を回収できるほどの関連商品売り上げがあれば良いのです。そのためには不特定多数の人に対して「このミュージシャンの関連商品を購入したい」と思わせるようなライブをしなければなりません。
例)
出演料:5000円
CD販売(1000円/枚)
↓↓↓↓
CDが6枚以上売れれば利益確定
これら二つの仕組みを覚えてより良いライブ選びをしましょう。自分の目的に合わせてこれら二つの中から選び、さらに細かい料金設定などを考慮しこの先音楽で食べていけるようになるのかを考えながら活動していきましょう。
不特定多数性
ライブを選ぶ上で判断すべきことに「不特定多数性」があります。「不特定多数性」とは不特定多数の人に対してライブができるのかそうでないかの違いについてです。
例えば、『会員制のジム』は「ジム利用の権利」という商品が売れるのは「会員」だけになるので「不特定多数性は無し」となります。
反対に、『ショッピングモールの洋服店』は「洋服」という商品が「ショッピングモールにきた人々」となるので「不特定多数性は有り」となります。
「不特定多数性」だけを見れば有りの方が断然良さそうに見えますが、会員制にすることでより良いサービスが受けられる場合が多いです。公民館にあるジムよりも会員制のジムの方が設備もサービも良いのです。
このことを出演するライブに置き換えて考えてみましょう。
「ライブハウスでのライブ」は「不特定多数性は無し」です。ライブハウスの前を歩いていた通りすがりの人が、誰かもわからない人のライブを聞くためにわざわざ地下の薄暗いライブハウスにお金を払って入場する可能性は極めて低いと言えます。ライブハウスにくるほとんどの人は、わざわざお金を払ってでもいきたいファンとその友人くらいまでです。出演者が不特定多数の人にライブができる可能性は有りません。
「大型商業施設でのライブ」は「不特定多数性は有り」です。ショッピングモールの中を歩いていた通りすがりの人が、誰かもわからない人のライブを偶然聞いて少しだけ立ち止まる可能性があります。観覧も無料のため、ライブを見る姿勢になるためのハードルが非常に低いのです。出演者は不特定多数の人にライブができる可能性が高いです。
駆け出しのミュージシャンにとって大切なことは「沢山の人に知られること」です。マネタイズはよっぽど先になります。まずは知られることが大切です。その点で考えると自ずと出演すべきライブが明確になってくるのではないでしょうか。
費用対効果
最後に費用対効果について説明します。
一概にもライブハウスでのライブが悪いとは言えないのが本音です。イベンターが有名人の場合、イベンターとの繋がりを作るために赤字でもイベントに出演することがあります。イベンターに気に入られれば、次のイベントに読んでもらえる可能性が高まるからです。
また、共演者が沢山集客ができる場合も出演すべき時もあります。他の出演者についているファンに対して自分のライブをみてもらえる可能性が高まるからです。その場合は「不特定多数性が有り」になります。
つまりライブハウスのイベントや、大型商業施設でのイベントは赤字で出演することもあると思いますが、その場合は「費用対効果」を基準に考えるのが良いということです。
お金がかかってでも自分に大きなメリットがある場合は、メリットを優先して出演するライブを選ぶべきです。
まとめ
ライブに出演する基準をおさらいします。
- メリットがあるかどうか
- 費用対効果があるかどうか
- 不特定多数性があるかどうか
この3点を基準に考えましょう。いつも同じお客さんばかりいるライブハウスイベントに何回出演してもファンは一向に増えません。かといって出演料の高いライブに出演してもファンの人数が増えなければ財布がどんどん薄くなっていく一方です。自分にとってどのようなメリットがあるのか、なんのためのライブ出演なのかを明確にし、上記3点を気にして出演するライブを選ぶようにしましょう。