作詞作曲編曲などの音楽に関わること全般を生業としております、村脇でございます。詳細が気になった方は画面右上らへんに出てくるであろうプロフィールをご覧くださいな。
さて、本日の記事の内容はインプットとアウトプットについてです。私は音楽に関する仕事の中で比較的広い分野を守備範囲としています。例えば、「歌唱者のイメージに最も合致する楽曲を制作する」という仕事があったとしたら、それは①芸術的な作品を作る能力②流行に負けない個性を出す能力などが必要となってきます。また、「BGMをジャンルごとに制作する」という仕事があったとしたら、③淡々と不快にならない音楽を繰り返させる能力④ジャンルを認識しそれを形にする能力が必要とされます。①や②は芸術家的な要素が高いものになりますが、反対に③や④は職人技的要素が高いと言えます。このように作詞作曲編曲ができるという特性を生かそうとすると、芸術家とも職人とも取れないような仕事の内容になることが多いです。
要するにやれることが多いが故に仕事の幅が広いということです。「音楽」という範囲自体が非常に広いことも仕事の幅を広げている所以と言えますね。
この記事内の「インプット」とは制作していない期間に行なっている妄想時間や思考時間のことを指し、反対に「アウトプット」は制作行為のことを指します。
目次
作詞
「作詞」はいってしまえば、「何か一つ言語を操ることができれば誰でもできてしまうもの」です。入り口は非常に広いですが、奥はかなり深く熟練すればするほど良いものができるのも特徴の一つです。”作詞と作曲どちらを先にするのか”という質問をよく投げかけられます。それに対していつも私は「どちらからも作ることができるし、一緒に出来上がることもある」という返答をしています。本当はそこに”編曲”も混ぜて質問して欲しいんですがね(編曲から始まることも、全て同時に行うこともある)。
私にとっての作詞は「私の中の世界を外に出すこと」です。私の中にある世界が広く深いほど外に出せるモノに深みが生まれ、他者から良いモノと判断されるのです。
まとめると、作詞においてインプットは非常に大切なものであるということです。作詞だけに注目すれば、インプットとアウトプットは8:2くらいの割合で行うようにしています。
作曲
作曲とはメロディー(旋律)を生み出すことですが、私の場合は条件を設けてその条件をクリアしたものだけをメロディーとして記録し、作品に用いています。その条件は以下の通りです。
・聞いたことの無い新鮮なメロディーであること
・不快に感じないメロディーであること
・覚えやすいメロディーであること
この中でも特に難しい条件が1つ目の「新鮮なメロディー」です。なぜなら、この世界にはメロディーが溢れているからです。これほどまでに音楽が溢れた世界で、今までまだ聞いたことの無い新鮮なメロディーを生み出さなければならないのです。私は普段それほど音楽を聞き広げることはありません。きき広げて聞いてしまうと、無意識のうちに聞いたことのあるメロディーを真似して自分の楽曲に取り入れてしまう可能性があるからです。しかしながら、全くもって参考にしないということは難しく、随所に聞いたことのあるメロディーが出現してしまっています。
最近は逆の思考で、様々なアーティスト(性別もジャンルも時代もバラバラ)のメロディーをわざとミックスしたようなメロディーを練り上げる作曲法も編み出しました。これ、結構新鮮に聞こえるんです。
また、メロディーを生み出す作業はテンションが上がっているときは明るく、下がっているときは暗くなりがちです。とにかく数を出してその中から良さそうなものを選ぶのがもっともバランスの良いメロディーになると考えているため、質より量の部分があるということも念頭に置いておく必要がありそうです。(質より量に関しての記事はこちら)
まとめると、作曲においてインプットとアウトプットは5:5の割合でとにかく多くの音楽を聞いて、多くのメロディーを生み出すことが良い作品を作ることに繋がると言えます。
編曲
編曲はメロディーと歌詞が完成し、作品として出来上がった状態です。ここまでできれば、誰もが演奏できる再現性を持った音楽の芸術作品となります。この作品をさらに料理して行きます。それが編曲です。調を決めてコード進行を決めて、どの楽器を使うか決めて行きます。
この作業も作曲と同様に、世の中に溢れている楽曲がどのように料理されているかを注意深く聞く作業と、とにかくたくさん編曲をして試行錯誤を繰り返すことが大切です。
まとめると、編曲においてインプットとアウトプットは4:6の割合でするのが良さそうです。
まとめ
私はインプットの時間を非常に大切にしています。今までインプットでやってきたことを箇条書きにしてみます。
・読書
・映画鑑賞
・地方旅行
・美術館や博物館で作品鑑賞
・音楽を聞かずに散歩
・瞑想
・クラシック音楽のコンサート
こんな感じです。新しいことに挑戦したり、行ったことのない場所へ行ったりすると感じたことのない感情が生まれてくることがあります。初めての感覚はいつもメモをとるようにしています。それが言葉で出てくるのかメロディー出てくるのかはいつも決まっていません。そして、私はいつもそれを探しているのかもしれません。人生のテーマが新しい感情を探す旅そのものなのかもしれませんね。